市販ノミダニ薬(ホームセンター等)を使って具合の悪くなった猫
こんにちは、埼玉県桶川市 往診・訪問診療専門動物病院「VHVぶなの木動物病院」の獣医の塚原です。
夏本番ですね!この炎天下の中でも、散歩コースや公園の草花は青々と元気に生い茂っていますね。草花が生い茂っている季節は、ノミ・ダニも元気に活動している時期です^^;)
さて先日、夜8時頃に往診依頼がありました。
昼間に、ホームセンターで購入した、市販のノミ・ダニ薬をつけたら、その後から猫ちゃんの様子がおかしいとのこと。
薬を付けた箇所をしきりと気にするだけでなく、変な鳴き声で泣いたり、急に飛んだり跳ねたり、吐いて、食欲も無いとのこと。。。もう薬をつけてから、かれこれ12時間近く経ているにもかかわらず。。。
私が診察したとき、その子はかなり興奮している状態でした。。。急いで、薬を付けた場所を濡れたタオルでよく拭き取り、それ以上の市販薬の吸収が無いようにし、必要なお注射を施しました。
翌日、幸いにもその子は落ち着き、食欲も元に戻り、普段の生活ができるようになったのですが・・・
ノミ・ダニ予防薬には、動物病院でないと購入できない予防薬と、ホームセンター等で手軽に購入できるものがありますが、何が違うのでしょうか?
- 動物病院で扱っているノミ・ダニ薬 → ノミ・ダニの駆除+その後の予防
- ホームセンターやスーパー等、動物病院以外で扱っているノミ・ダニ薬→虫が寄り付かないようにする「忌避効果」のみ。(そのため、予防や駆除という面では殆ど効果が期待できない商品です。)
なぜ、動物病院でノミ・ダニ薬が取り扱われているか?と言うことです。
どんなクスリであっても、クスリは薬にもなるし、毒にもなります。
ましてや、せっかくつけたノミ・ダニ薬が忌避効果のみでは、ノミ・ダニの咬傷を防ぐのは十分でないですし、ノミやダニのアレルギーを持つ子にとって、アレルギー症状を防ぐことはできません。
また、ホームセンターやスーパーでの、市販薬の購入は、お手軽ですが、上述したようなことも起こりえます。
今回、市販薬で具合の悪くなった猫ちゃんですが、1週間経ってから、当院で取り扱っているノミ・ダニ予防薬の1つ、「マイフリガードプラス」を私はその子につけましたが、その後は、特に具合が悪くなることもなく、問題は起こりませんでした。
まとめ
今回なぜ、上述したような症状がその子に起きたのか?はわかりませんが、ノミ・ダニ予防薬もクスリですから、猫ちゃんの体調も含め、その子にあったノミ・ダニ予防薬を動物病院で処方してもらうのをおすすめします。
もちろん、動物病院で処方されたノミ・ダニ予防薬でも具合の悪くなる子もいるかもしれませんが、病院で処方されたものであれば、取り扱った病院の使用経験もあるので、すぐに対応してもらえるでしょう。また、ノミ・ダニ予防薬の付け方も、少しコツがあったりしますから、それも含めて病院の先生に聞くといいと思います。
夏はノミ・ダニが元気な季節です!!秋頃~冬の初めまでは予防薬をつけておいた方がいいです。
ノミ・ダニ予防薬は動物病院処方のものをおすすめします。ノミ・ダニ予防にご興味があれば、いつでも当院にご相談下さい。