耳道内腫瘍。猫の中医学的な治療。

くつろいだ猫

こんにちは、埼玉県桶川市 往診・訪問診療専門動物病院「VHVぶなの木動物病院」の獣医の塚原です。

本日は15歳の猫「ぽんちゃん」の診察について記載したいと思います。

目次

猫の耳道内腫瘍。中医学的な治療。

ぽんちゃんは、雑種猫で他院にて外耳炎の治療を行われていました。ぽんちゃんママが見つけたときは、右耳の耳道内に膿の汁がついていて、耳回りがベトベトになっていたようです。外耳炎ということで、治療されていましたが、なかなか治らないということで、当院で診させて頂くことになりました。

私が診た時は、ぽんちゃんの右耳の耳道内には、乳頭状の、出来物ができており、耳介の根元にも直径6cm大の出来物ができておりました。ぽんちゃんのママは、この出来物は膿汁が溜まっていると思っていらしたようですが、完全に出来物。。。腫瘍の塊です。表面はいくつもの上皮が剥がれて、潰瘍が出来、そこから膿や軽度の出血をしている状態でした。

その部分を刺激の少ない消毒液で消毒し、抗生剤軟膏をつけ、少しでも感染を防ぐようにガーゼと包帯で保護しました。

さて問題は、これからどうしてあげたらいいか?という事です。もう高齢のため、外科的に切除など積極的な治療は望まれていませんでした。

ぽんちゃんは、食欲も少し落ちて元気もなくなってきていました。。。当然ながら、抗生剤の投与で感染の治療をし、食欲が無いため、簡易的な点滴である皮下補液をしてあげたのですが、そこに、今回は漢方薬である補気剤を飲んでもらうことにしました。ぽんちゃんの脚の付け根の股動脈の圧は両脚とも弱く、ほとんど触れるか触れないかの状態でした。覇気もありません。完全に「気虚」の状態です。「気虚」とは、体を流れる気のエネルギーが少なくなっている状態のことです。

うまくぽんちゃんに飲ませられるように、甘いシロップで溶いて、補気剤の漢方薬を出しました。

まとめ

中医学的な治療は、悪くなった部分だけの治療ではなく、全身の状態から判断して、気、血、陽、陰などを補ったり、賦活したり、邪を除去して、治療していきます。西洋医学的な治療に、中医学的な治療をプラスしてあげることで、西洋医学的では補うことが出来ない部分までを補うことができるのです。

もしこんなうちの子の場合はどうかな?と思われることがありましたらぜひ、埼玉県桶川市 往診・訪問診療専門動物病院「ぶなの木動物病院」お気軽にご連絡下さい。

くつろいだ猫

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